2011年04月24日

 最近私は涙もろい。信onを一緒にやっていた人からは
「前からだぜ」
 というツッコミが飛んできそうだが、最近は特にそうなのだと思う。

 ローマ法王さまに7歳のエレナちゃんが問う。
http://www.christiantoday.co.jp/view-203.html

 「何故こんな悲しいことにならなければいけないのか」

 これは人生の根源の問いだ。

 何故自分がこんな目にあわなくてはならないのかと一度も考えたことがない人などこの世にはいないだろう。その中で、人は周囲の人に問い、あるいは周囲を観察し自分なりの答えをその時々で見つけていくのかもしれない。その時どのような縁に会うかによってその人の人生は大きく左右されるのではないだろうか。

 問いに対する即答は毒である。特に「納得できる答え」「もっともらしい答え」は猛毒である。

 人は今「物事に実際的な意味や価値を見出さずにはいられない」という重い病にかかっている。そして右を向いても左を向いても薬はめったに見つからず「病であるという自覚を眠らせる」作用を持つ毒しか見当たらない。毒を服用し、さらに強い毒を求め、そして本質を蝕みながら一生を終える中で、本当の医師に出会う人は幸いである。

 エレナちゃんの問いにローマ法王さまは応えて言われた。
「我々は答えを持っていませんが、罪なきキリストがあなた方と同じく苦しまれたということは知っています。イエスの生涯を通して来られた真実なる神は我々と共にいるのです」

 その中には世間が考える「答え」は一切入っていない。だがこれ以上の言葉があるだろうか。

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この記事へのコメント

1. Posted by 芳立   2011年04月25日 03:24
そうなんです、私もまさに、ローマ教皇のお言葉が“答えになっていない”ところに深く感銘を受けたのです。
「なぜこんな目に遭わなければならないのか」という問いに対して、理で答えるのは実に簡単。「三陸沖を震源とする地震が起き、それが南北の別のプレートにも影響を及ぼしてM9.0の大地震となり、それが未曽有の大津波をもたらしたから」です。
また、いかにもシューキョーテキな答えも簡単。「あなたのン代前の先祖の霊が迷っていて、たたりが…」とか。人間は実はこういうのに一番すがりつきたがるから危険。
ローマ教皇ははっきりと「我々は答えを持っていない」と言われた上で、救いに導く言葉を告げられました。さすがは世界的影響力を持つ宗教者というだけのことはあります。
2. Posted by 猫乃たまご   2011年04月25日 14:33
☆芳立さん

>人間は実はこういうのに一番すがりつきたがるから危険。

往々にして「次のステップに進む」とは「目の前の問いを片付けていく」という風に誤解されてしまうところに問題があるのですよね。だから、手っ取り早い解決を望む→つかみやすいところを好む という図式になっている気がします。解決して次に進んだら何かあるはずというのが楽観的というかなんというか…。

 ローマ法王の言葉にそういう世俗的な「落としどころ」がないというのが今回とても心ふるえました。

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